こうげの草と老舗天然醸造醤油蔵-良いものを良いものとして-

こうげのシゴトは「なぜ野草ですか?」とよく聞かれるようになりました。こんな質問を戴くのは、少しずつ取組みが認知されてきたからかもしれません。ありがとうございます。
端的に、野草を販売したいとか単純なものではありません。上毛町の豊かな部分とか、こうげの良さなどをお伝えしようと考えたら、野草に辿り着いただけなのです。この野草を牽引役として、諸々の「こうげの良いもの」を紹介できる仕組みを整えようとしています。

地理的な視点では、平野部と山間部が緩やかにつながった「ちょうどいい」環境、里山と呼ばれる心地のよい空間が広がるこうげ。人と自然が調和した、無理がなく、至極当然の暮らしのサイクルと文化を感じることができます。
そして何より、ここは野草の宝庫です。野草というと軽視されがちですが、実は古くから食として、あるいは薬として、当たり前のように暮らしの中で重宝されてきたものなのです。
同時に、こうした環境で暮らしているこうげの人たちは、純朴で温かく受入れてくれる方ばかりなので、一度でもこうげの里山を訪れてくれた方の大半は、リピーターとなってくれています。人の魅力については、とても大切なことなので、また別の機会に。

ということで、里山の魅力を伝えること。それは、こうげの豊かさを伝えることになります。
なので、こうげのシゴトは、こうげの豊かさをみなさんにお届けするために、諸々の仕組みづくりを行っているところです。そのひとつが商品開発です。

2015の秋は、野草ともうひとつの素材を使って、研究会を行いました。
もうひとつの素材というのは、100年の伝統を持つ天然醸造醤油蔵の二反田醤油。こうげで最も古い加工事業者さんということになります。
天然醸造の発酵蔵では、土着の菌たちが、こうげの気候や風土ならではの諸味を醸造してくれます。
幼少の頃から、二反田醤油さんの定番商品「もろみ醤油」で大きくなった私たちにとっては、欠かせない郷土の味です。

研究会には、野草の薬効を期待する健康志向に整合が取れる醤油を使用。二反田醤油の杜氏さんが準備してくれたのは、無添加の醤油です。これは、生揚げ醤油に火入れをしただけの「本醸造」と呼ばれるものです。
主な研究成果としては、野草の醤油漬けと、野草ドレッシングの可能性が広がってきたこと。
引き続き、二反田醤油の杜氏さんや、つむぎての会さん、その他協力者のみなさんと、商品化に向けた詰めを行っていきます。

こうげの良いものを掛け合わせ、商品化することで、こうげの良さを伝える一助になれば幸甚です。
御愛顧を賜りますよう宜しくお願い致します。

text=森重了一(上毛町企画情報課)

二反田杜氏
今回の研究テーマである天然醸造醤油の杜氏さん(撮影:山田圭さん2012)

二反田(商品)くぼて漬け
杜氏の岩住さんはこんなチャレンジもしてきました(くぼて漬けのリデザイン)

二反田(商品)六年仕込
さらに、こんなチャレンジもしてきました(国産丸大豆の六年仕込み)

ノビル
醤油漬けの野草はノビルを採用、とても使いやすい素材です

ノビル下処理後
下処理後のノビル

二反田醤油本醸造
杜氏の岩住さんが特別に準備してくれた本醸造(生揚げに火入れしたもの)

野草の醤油漬け(仕込中)
野草の醤油漬けを仕込み中、これは行者漬け(他にもノビル醤油、ヨモギ醤油など)

野草の醤油漬け(仕込完了)
野草の醤油漬け8種類、仕込み完了

テイスティング
テイスティングの様子、行者醤油はそのままタレなどに使えそう

野草の醤油漬け(充填)
さらし布で濾過し加熱処理したら容器に充填

野草の醤油漬け(完成)
野草の醤油漬け、サンプルが完成

ノビルペースト
ドレッシング用のノビルは、ペーストに

ノビルドレッシング
油や調味料を加え加熱したのちに充填、ノビルドレッシング完成

炭火焼き
試作した野草醤油を、みたらし団子や焼き肉に合わせてみる

みたらし団子醤油
みたらし団子は大好評、今後イベントなどでお目見えするかも

みたらし団子たれ
砂糖や片栗粉を混ぜてつくったタレも絶品、乞うご期待